生活情報紙「さりお」の記事

「漢方よもやま話」より

漢方でもお米の力を利用
 夏が過ぎると、黄金色の稲穂が実り、稲刈りの時期がやってきます。気温が高く、雨が多い日本の気候は稲が育ちやすく、縄文時代後期から栽培されていたことが分かっています。
 お米は日本人の主食として私たちの食生活を支えてきましたが、実は漢方の世界でもお米の力を借りてきました。
 お米は粘性によって、うるち米ともち米に分類されます。粘性が弱いものが、私たちが日常で食べているうるち米です。
 うるち米の玄米は、生薬(しょうやく、漢方薬の原料)では「粳米(こうべい)」と呼ばれています。
 粳米は元気をつけ、胃腸を整えてくれる作用があると考えられています。また止渇作用もあるとされ、口が渇くような時に用いられる漢方薬の一部に含まれています。
 例えば、粳米を含む漢方薬では麦門冬湯(ばくもんどうとう)」などが有名です。
 麦門冬湯は、麦門冬(ばくもんどう)、半夏(はんげ)、大棗(たいそう)、人参(にんじん)、甘草(かんぞう)、そして粳米の6種からなる漢方薬です。のどの乾燥やイガイガした刺激を感じ、痰が切れにくく声がれしているような人に適することが多い薬です。
 これからは乾燥の季節です。まだまだ季節の変わり目で体調を崩しやすい時季ですから、注意が必要です。
 今年はインフルエンザの大流行を懸念する声もありますし、しっかり養生しましょう。