生活情報紙「さりお」の記事

「漢方よもやま話」より

小さいけど侮れない山椒の効用
 桜も散って新緑がきれいな季節になりました。山椒の新芽である木の芽も4月から5月に旬を迎えます。
 山椒は花や果実も料理のアクセントに使用されている身近なものですが、漢方薬の原料としても用いられます。
 漢方では、成熟した果実から可能な限り種子を除いた果皮が用いられ、「山椒は小粒でもぴりりと辛い」というように、山椒を含む漢方薬は辛みが口に残ります。
 山椒は体を温め、痛みを止める作用があるとされており、冷えたことが影響して胃腸の働きが弱った時に用いられる漢方薬に含まれることが多いようです。
 その中でも有名な漢方薬は大建中湯(だいけんちゅうとう)でしょう。
 明治時代の医学書「勿誤薬室方函(ふつごやくしつほうかん)」には、2種類の大建中湯が載っていますが、現在は中国・後漢の医学書「金匱要略(きんきようりゃく)」に収載されている大建中湯が一般的に利用されています。
 おなかが冷えて痛み、ガスがたまりやすく、手足が冷えやすい人に適することが多い薬です。
 大建中湯のほかにも、腹部を温めて不調を改善する漢方薬は、小建中湯、人参湯(にんじんとう)、真武湯(しんぶとう)など多くあります。
 自分の体質や症状に適する漢方薬を選ぶことが大切です。
 今年は例年以上に気候が不安定で、胃腸の調子を崩してしまう人が多いようです。不調が続くようであれば、漢方薬を上手に利用してもよいかもしれません。