生活情報紙「さりお」の記事

「漢方よもやま話」より

植物由来の多い生薬、「茴香」は香辛料!
 漢方薬は、原料である生薬(しょうやく)を数種類組み合わせて作られます。
 生薬には植物由来のものが多く、昔から香辛料として料理に用いられているものもあります。
 茴香(ういきょう)という生薬は、セリ科の多年草の果実のことです。古代エジプト時代には既に栽培されており、人類史上最も古い作物の一つとされています。
 6〜8月にかけて黄色い小さな花を多数付ける茴香ですが、元々はヨーロッパ地中海沿岸地方が原産の植物です。
 茴香という名は、魚肉の香りを回復することが語源になっているそう。
 ハーブや香辛料としてはフェンネルとも呼ばれ、イタリア料理やフランス料理によく使われます。また、インドではカレー料理に、中国では五香粉というブレンドスパイスの原料としても用いられています。
 茴香は芳香性の健胃薬として冷えのため生じる胸やけや嘔吐(おうと)などに効果があるとされ、胃の不調に用いる漢方薬に含まれています。
 茴香を含む代表的な漢方薬に、安中散(あんちゅうさん)があります。安中散は、痩せ型であまり体力がなく、冷え症で貧血傾向にあり、食欲不振や胃もたれなどの胃の不調がある人に適することが多い薬です。
 同じ香辛料でもアニスや八角(はっかく)と呼ばれる大茴香(だいういきょう)の果実は、シキミ科で全くの別物ですので注意が必要です。