生活情報紙「さりお」の記事

「漢方よもやま話」より

剤型によって異なる効果
 日本の伝統医学である漢方薬本来の剤型は、多くの場合、煎じ薬です。煎じ薬は、漢方薬の原料である生薬(しょうやく)を複数組み合わせて煮詰めたものです。
 煎じ薬のエキスを抽出して添加物を加え、顆粒剤(かりゅうざい)や錠剤のかたちにしたものをエキス製剤といいます。
 最近はエキス製剤が普及し、煎じ薬はあまり見掛けなくなりました。驚くことに、エキス製剤を漢方薬本来の剤型だと思っている人が増えてい るのが現状です。
 エキス製剤は持ち運びが便利で煮詰める手間も不要ですので、忙しい現代に適した剤型なのかもしれません。
 しかし、煎じ薬とエキス製剤では、効果に大きな違いがあることを忘れてはいけません。
 インスタントラーメンと本格的なラーメンが異なるように、煎じ薬とエキス製剤は全くの別物と考えてもよいでしょう。
 実際に私自身がある症状で困った時に顆粒剤では治まらず、同じ処方の煎じ薬を飲むとすぐに症状が治まったことがあります。漢方薬の剤型に よって効果が異なることを身をもって実感し、改めて驚いたものです。
 服用する人の症状や体質によって、必要な剤型は異なります。
 効果が得られていれば漢方薬の剤型などにあまりこだわらなくてもよい場合もあります。
 しかし、思うように効果が得られない時には、漢方薬本来の剤型にこだわった方がよいかもしれません。