生活情報紙「さりお」の記事

「ここが知りたい漢方」より

古傷や捻挫、骨折、打撲にも効く漢方
治りにくいと思ったら早めに漢方薬を併用して
 今年は長い梅雨が明けても雨が多い夏が続き、9月以降も例年より湿気が多いように感じます。
 このような気候では、古傷が痛むという人が少なくありません。
 漢方は内科系の病気に対応するものというイメージが強いと思いますが、実は古傷や捻挫、骨折、打撲などで悩んでいる人にも、漢方で喜んでいただけることが意外と多いのです。
 漢方の歴史をたどってみると、明治初期までは漢方が日本の医療を支えてきました。長い歴史の中で打撲や刀傷などの多くの外傷に対応してきた漢方には、西洋医学にはない効果があります。
 しかし、明治政府が求めたものの一つは軍事医学で重要な、外科的な対応に優れた西洋医学であったため、漢方は衰退していったのです。
 残念なことに、現代では外傷の治療に漢方が有効な選択肢の一つになり得ることなど忘れ去られてしまっています。
 「漢方は外傷にも効果がある」と知っていた私自身も、以前は外傷には外科的に処置するイメージが強く、漢方薬の効果に半信半疑でした。
 数年前に足の小指を捻挫した時は、医師にも骨折を疑われるほど腫れ上がり、靴が履けませんでした。夏の終わりでしばらくはサンダルでしのいでいたものの、時期外れになり恥ずかしいと思ったことが漢方薬を飲むきっかけとなりました。
 試しに漢方薬を飲んだところ、その日の夜に痛みが和らぎ、2、3日後には腫れも引き、何とか靴が履けるようになったのです。あまりに早く効果が表れたため、自然治癒だろうと思い服薬を止めました。すると痛みが再発し、また漢方薬を飲むと痛みが和らぎ薬の効果と確認できたのです。
 私の父も30年以上前に、肋骨のひびによる強い痛みに対して、漢方の外傷に対する効果を初めて実感したそうです。
 そのほか、腰椎捻挫(ぎっくり腰)の症状が意外と速やかに治ったり、むち打ち損傷で数年悩んでいた人が数カ月で良くなったり、高い所から落下した外傷で後遺症を長く患っていた人が短期間で良くなったなど、寿元堂薬局だけでも外傷に対する経験は多く、ほとんどの場合は良い経過をたどり、時には著効例に驚くこともあります。
 進歩した西洋医学の外科の恩恵を受けることができる現代では、外傷はまず西洋医学の診断と治療が必要でしょう。
 しかし、漢方の効果を喜んでいただけるケースもまだまだ多いのです。
 外傷で、治りにくいと思ったらできるだけ早く漢方薬を併用するとよいかもしれません。