生活情報紙「さりお」の記事

「ここが知りたい漢方」より

アトピー性皮膚炎や慢性じんましん
品質の良し悪しが効果に大きな違いをもたらす
 最近は、アトピー性皮膚炎や慢性じんましんなど、治りにくい皮膚病の相談が増えています。
   特にこれからの時季は気温が高く、患部に熱がある人や、汗により症状が悪化しやすい人にとっては嫌な季節でしょう。
 じんましんやアトピー性皮膚炎などは、数十年前なら西洋医学で症状を抑えている間に自然に治るものが多くありました。一時的な症状の場合、体が症状を抑えられる状態になれば、自然に薬が必要なくなるからです。
 しかし、今では西洋医学で抑えるだけでは改善しにくく予後がよくない症状が増えています。
 西洋医学の治療を続けていても悪化を繰り返す場合には、西洋医学の薬と漢方薬を併用することを選択肢の一つに入れてもよいかもしれません。
 ただし、漢方薬の一時抑えの作用は、西洋医学の薬ほど強くないことが多いので注意が必要です。場合によっては、ステロイド剤などの薬を併用し、症状の改善を見ながら、徐々に漢方薬だけに切り替えていくのもよいでしょう。
 皮膚の病気に利用される多くの漢方薬の中に、消風散(しょうふうさん)があります。
 消風散は古い中国の医学書である「外科正宗(げかせいそう)」に記載されています。かゆみが強く、分泌物が多く、地肌に赤みがある皮膚の症状があり、口が渇く人に適することが多い薬です。
 この消風散に関して忘れられないエピソードがあります。
 関東から、30代の男性がはるばる寿元堂薬局に相談に来られました。
 「アトピー性皮膚炎に悩んでいて、数カ月間、東京で購入した消風散の煎じ薬を飲み続けているが、効果が全く感じられない」とのこと。
 服用している消風散を見せてもらったところ、明らかに生薬(しょうやく)の品質がよくありませんでした。
 そこで、寿元堂薬局の消風散に替えて飲んでいただくと、短期間のうちに「効果が表れるのを実感した」と連絡が入りました。
 原料の品質の良し悪しが効果に大きな違いをもたらした一例です。
 同じ処方でも、剤型の違いや原料の品質の違いによって、実感できる効果が異なることは皮膚の症状に限ったことではありません。他の症状でも、この消風散のような例は意外と多いものです。
 皮膚病は、治りにくい病気だけに根気が必要です。しかし、時間はかかっても根本から不調を改善することで良くなっていくことも多いのです。漢方を試す価値はあるでしょう。