「漢方よもやま話」の目次
婦人科疾患に効く当帰芍薬散
 温かくなり、すっかり春らしい日が続くようになりました。4~6月は芍薬(しゃくやく)の開花時期です。
 芍薬は根を乾燥したものを生薬(しょうやく)として利用し、婦人科疾患に利用される、代表的な漢方薬の一つである当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)に含まれます。
 当帰芍薬散は中国・後漢の時代に張仲景(ちょうちゅうけい)によって著されたとされる医学書「金匱要略(きんきようりゃく)」に収載されています。
 「妊娠中の腹痛や婦人のさまざまな腹痛に利用する」とあり、当帰、芍薬、川芎(せんきゅう)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、沢瀉(たくしゃ)の6種類の生薬が含まれます。
 芍薬は鎮痛作用があり腹痛を治し、当帰・川芎は血の滞った状態の瘀血(おけつ)をさばくため血行をよくし、茯苓・白朮・沢瀉は利尿作用があり、水の滞った状態の水毒(すいどく)を改善します。そのため、妊娠中の腹痛や腰痛、浮腫などに利用されますが、一般的には月経不順などの婦人科疾患や冷え症などに利用されています。
 胃の弱い人の場合、まれに胃の負担になるため、人参(にんじん)、桂皮(けいひ)、甘草(かんぞう)を加え、服用しやすくした人参当芍散という漢方薬もあります。
 昔は腹痛の漢方薬だったものが、今では婦人科で広く利用される漢方薬として知られているのは面白いものです。
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